デュオ・フレッシェ試聴室
「弦楽のためのアダージョ」で有名な、シリアスな作曲家である サミュエル・バーバーが、珍しく自らの出自を正直に明かしているかのような作品。 古きよき時代のアメリカを思わせるダンス・ミュージック…あるいは酒場で流れる ポピュラー音楽…で彩られたような、底抜けに楽しい音楽だ。バレエ用の管弦楽版(それは 男女の一晩の物語を連想させる副題が新たに添えられている)もあるが、 そもそもの目的が「友人と連弾をするため」の作品なので、こちらがオリジナル。
Walzer Nr.3, Nr.8, Nr.15 von Walzer zu 4 Händen op.39
作曲者:ブラームス J.Brahms
演奏時間:05'35"
ウィーン滞在の成果であるブラームスの「ワルツ集」は、非常に簡明な 家庭用音楽であると同時に、最も濃密な芸術作品でもあるという稀有な例だ。わずか2段あまりを、 息を吐きっぱなしで、どこまでも沈みいくように弾かなければならないのと同時に、ワルツであることも表現 しなければならない。音符の数が減ったところでブラームスの要求の高さが全く変わらないどころか、 逆にいつも以上に過酷な要求を突きつけられる。僕たちは、毎回窒息死する思いでこの作品を 演奏しますが、それだけ価値のある、紛れもない連弾の至宝だと確信しています。第15曲は特に有名です。
「デュオ・フレッシェ」が結成されるより10年も前の音源を持ち出すのも アレなのですが、一応は正真正銘、この二人で演奏した2台ピアノの音源なので、このページ をバラエティーに富んだものにするためにも一応掲載します。私の初期作品です。 二人は違うテンポで弾きはじめますが、最終的には入れ替わる。というカラクリです。
アラビア詩の影響を受けて作曲されたシューマンの「東洋の絵」。とはいえ曲は 角笛と民話の世界で、まるでドイツそのものなのですが、そんなところも実にシューマンらしい、 詩情に満ちた小品集です。彼の数ある連弾作品のなかでも最も彼らしい作品だと僕は思います。 第4曲は感傷的で素朴な美しい歌。ロベルトはどうにもニガテ、という人でも大丈夫です。