マンドリンオーケストラのためのシンフォニエッタ 西澤健一(1978*)
1. Allegro comodo 00:00
2. Scherzo; Vivace 05:22
3. Arie; Poco adagio 08:53
4. Finale; Allegro molto 15:45
ギタリストの吉住和倫氏より委嘱を受け2021年6月に作曲。初演は同年10月、札幌サンプラザコンサートホールにて、橘直貴指揮、フィラルモニカ・マンドリーニ・アルバ・サッポロによる。無理のない範囲の技術で楽しく演奏できつつ、教育目的にも使えるようにと、作曲に際して吉住氏からは多くの要望を受け取った。それらひとつひとつに応えながら、私の作曲技術を経糸に、わが母が親しんでいた音楽の記憶を緯糸にして編みあげた。(具体的には、明治大マンドリン倶楽部の伴奏で歌う藤山一郎の「丘を越えて」だ。その響きが耳朶に残っていたことに感謝している。)
第1楽章はソナタ形式。第1主題の主旋律・対旋律は、次第に、モチーフごとにゆるゆると分解・拡大され、この楽章のクライマックスを形成する。第2楽章は疾走する5拍子の音楽とオペレッタ風の2拍子の音楽とが交錯するスケルツォ。中間部では中東音楽風の7拍子の音楽も入り交じり展開していく。第3楽章「アリア」では独奏のマンドリンとギターを立て、抒情的な音楽が合奏協奏曲のように進められる。第4楽章はロンド・ソナタ風に組み立てられているが、リズミカルな伴奏に乗って颯爽と歌われるメロディと、フゲッタ風に扱われるメロディは同一のモチーフが取り扱われる。(西澤健一記)
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